えほんについてのコラム

2018.02.26

習慣になる読書

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「うちの子は、なかなか本を読もうとしません」
「読書をしないから、国語の成績も伸びません」

このようなお声が保護者様からよく聞かれます。

読書をしない子は国語の成績が悪い……?

一概にそうとは言えませんが、多くの文章にふれる事で語句を覚えたり、いろいろな場面をイメージ出来たりするようになるなど、国語の問題を解く上でもメリットがあります。

内容をはやく理解し文章をすらすら読めるという点だけを挙げても、時間配分が大切な試験で、読書好きが有利だとは言えるでしょう。

しかし、「漢字を覚えるために」「国語を得意にするために」そういう目的で無理やり本を読まされるのであれば、子どもたちにとって読書は、ただの義務になってしまいます。
そしてそれは、「童話集や世界の名作選を買い与えても1ページも読みません」というお声にもつながってしまいます。

しぶしぶするよりすすんでする読書、つまり、読まなければいけないから読みたくなる読書に変えたいところです。
そうなるには、やはり負担が少ない形で読書を始め、やがて楽しみが感じられるようになる事が大切ですね。

読書の義務感をなくす環境づくりとは

では、よく本を読むお子様のいるご家庭には、どんな工夫があるのでしょう。

お聞きしたところ、あるご家庭では、読書の時間を設けているのだそうです。夕食後に、親も子もそれぞれが好きな本を決めた時間まで読むのだそうです。
子どもが親に「とにかく本を読みなさい!」と言われてもピンとこないかもしれませんね。でも親自身も楽しそうに読書をしていたら、その様子を見て、子どもたちも自然と同じようにしたくなるのでは?と考えたそうです。
簡単な絵本から始めて、今では少し難しい本にも積極的に挑戦するまでになったそうですよ。

はじめは習慣ではありませんから、ページ数や読む時間を少なめに決めて、無理のないスピードで読んでいきます。毎日ではなくてもいいでしょう。
くり返し一冊の本に向き合い、まず読破する事が大事です。
お子様一人で読むのがしんどいようであれば、時々、親が代わって続きを読んであげてもいいですね。ご兄弟でリレー読書してもいいです。

読書の後は、お茶を飲みながら、親から印象的な内容について聞いてみたり、子から分かりにくい部分を質問したりする事もあるそうです。
そういう親子でのやり取りも面白く感じて、子どもたちが本や本の内容に興味を持てるようになれば、もう義務ではありません。

読むだけでも素晴らしいのですが、読書の後に本の感想を聞く時間があると理想的です。

国語では、登場人物の心情を必ずといっていいほど問われます。あわせて心情理由も答えなければなりません。

この時、あらすじが手がかりです。
たとえば、

宝物をなくしてしまった。(出来事)→悲しくなった。(心情)→泣き出した。(行動)

このように、あらすじをつかむことで、心情だけでなく心情理由となる出来事や心情から影響を受けたその後の行動まで、容易にまとめられるようになっていきます。

ですから、感想を伝えるためにあらすじに気をつけて読む心がけを日頃からすると、国語の問題を解く上でも大いに役立つでしょう。
最初は字が大きくてもいいです。絵がほとんどの本を選んでもいいのです。
読む習慣をつける事が優先です。

たくさんの表現を覚え、文を正しく区切りながら上手に読めるようになったら、忘れずほめてあげましょう。
親子でそれぞれが好きな本を読み、時にはリレーしたり感想を伝えたりしながら読書をするのが楽しい習慣になれば、お子様から次の本のリクエストがくるかもしれません。

浜学園国語科 新納先生

進学教室 浜学園で、低学年を中心に15年以上指導している国語科講師。 夏休みには読書感想文講座を実施することも。 現在名古屋・岡山教室でも通年で担当する等、担当エリアを広げています。

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