えほんについてのコラム

2017.08.23

絵本を通じた「間接体験」で、子どもに大事なことを教える

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「人の命が見えなくなった」現代の日本

絵本は、子どもに「間接的な体験」をさせるためのツールとして非常に有効です。
子どもたちにさせたい体験の中には、「とても大切なことだけれども、直接体験させることが難しいもの」があります。たとえば人の死に関して言えば、昔は、人の死は非常に身近な出来事でした。しかし現代では核家族化が進み、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に住むことが一般的でなくなってきています。生も死も、病院の中で完結するようになり、人の命が見えなくなってきています。絵本の中には、命をテーマにした素晴らしい作品がたくさんあります。今の時代だからこそ、いい絵本に出会う必要を痛感しています。

100回言って聞かせるより、心に響く絵本を

しかし、たとえそうであっても、「命の大切さ」は絶対に子どもたちに伝えなければならないですよね。たとえば「いじめ」の問題に関しても、「いじめはダメだよ」と100回言って聞かせるより、絵本を通じて人と人とのつき合い方を疑似体験させることが肝要です。
絵本を使うことで、「とても恐ろしいことではあるが、絶対に伝えなければならないこと」を子どもたちに伝えることができると思います。もちろん、「テキスト」を使って教えることもできるでしょうが、絵本は親子で共に読み合うものだからこそ、心に響くという側面があるのではないかと思います。

追手門学院小学校 東田充司校長

追手門学院小学校の入学式では、私は毎年必ず絵本を使って新入生に語りかけます。絵本には創造性を育む魅力があり、コミュニケーション能力の育成をはじめとして、多くの教育的効果をもたらしてくれます。 また、追手門学院小学校では、「弁論大会」「文化祭」「臨海学舎3Km遠泳」など多くの行事を通して子どもたちを育てています。行事を通して子ども達は、「全員でひとつの目的を達成する」という目的意識、上の学年や同級生への憧れ意識などを持ち、自分を高めていくことができます。これらはマンツーマン教育・少人数教育だけではなかなか得られない体験であり、「社会有為の人材の育成」を教育理念とする追手門だからこそできる、集団教育の良さなのです。

追手門学院小学校 東田充司校長のコラム